ボクがキミをスキな理由【短編集】

「緊張しないで、いつもどおりでいこう？
ちょっと……いつもとシチュエーションは違うけどね。」



そう言って
意味ありげに
Ｋｉｒｉさんは
ニッコリ微笑む。



爽やかな笑顔を見せる
Ｋｉｒｉさんとは対照的に
混乱する頭のなか。




――どういうこと？？




いつもどおり？？



Ｋｉｒｉさんの
言葉の意味が
わからない。



でも……




この声、
この表情、
この空気感は、
私のよく知ってる誰かと
とてもよく似ている。




でも……
まさかね。




私の大切な彼は
学校でも有名な
地味男。




かたや
雑誌の表紙を飾り
世の女性の皆様を
とりこにして離さない
Ｋｉｒｉさん。



二人の雰囲気はなんだか
とてもよく似ているけれど……



それは私が、
成宮くんのことを
好きすぎるからだ。



大好きで
大好きで
大好きだから



特別な目で
見てしまっているに
ちがいない。