ボクがキミをスキな理由【短編集】


ひ、ひどい…


私、真剣に言ったのに…



爆笑の渦の中
シューンとなって
目の前にあるカフェオレを
ストローでつついていると



「ふふっ。
かわいいわね、沙良ちゃん。
仁、そろそろ種明かししてあげたら?」



お店の奥から“カレンさん”と呼ばれる
迫力美人がKiriさんに声をかける。






するとKiriさんは
目にうっすらと浮かんだ涙を拭いて



「そうだね、カレンさん。
どうやら俺の彼女は予想外のツワモノらしい。」



そう言ってクスリと笑う。






「笑ってごめんね、星野さん。
こうすればわかるかな??」






Kiriさんは
そういうやいなや、


キレイにセットされた頭を
ボサボサにして
ジーンズのポケットから
黒縁のメガネを取り出す。






そして正面を向いた
Kiriさんの顔を見て
私は息が止まるんじゃないかと
思うくらいにビックリした。





――うそ…ウソでしょ??






自分の目が信じられない。







そこにいたのは
目の前にいたのは





私の大切な
誰より大切な
大好きなカレ。






成宮仁くんだった――……





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