ボクがキミをスキな理由【短編集】


「な、りみやくん…???」



信じられない気持ちで
カレの名前を呟くと




「やっとわかってくれた??」




いつもみたいに
優しく柔らかな笑顔で
カレは私に微笑む。





信じられない…





呆気に取られた私は
カレの顔を見つめたまんま
瞬き一つできずに
キョトンとしてしまう。





「あ~、あ~!
せっかくキレイにセットしてたのに!!」





そう言って
潮見さんは成宮君の頭を見て
うぎゃあ!と叫ぶ。






その声を聞いた途端に
私のヘアメイクをしてくれた
メイクさんが飛んできて
成宮君の髪を直し始める。





「ったく!時間がロスするでしょ!?
Kiriさん!!」


「ごめん、ごめん。
でもレアでしょ?このカンジ。
新しい俺の一面知れて嬉しいでしょ?
潮見さん。」


「アホかっ!
俺が見たいのはKiriの顔!!
こういうマニアックな表情じゃねぇの!!」





ブツクサいいながら
プンプン怒る潮見さんに


のほほんと笑いながら
されるがままに
髪を直してもらっている
Kiriさん。
(あ、成宮君か。)





ポカーンとしてる私を
ほっぽったまんま






「くそー。
知り合いだったなんて
盲点だった…!!!」


「なーに言ってんの。
遊園地で会った時点で
星野さんの隣にいるのは
俺だってわかってたんでしょ?」


「あ…、
やっぱりバレてた?」



「うん。
パーテーションの奥から
星野さんが出てきた時点で。」






潮見さんと成宮君は
トントンと話を進めていく。




どうやら潮見さんは遊園地で私のスナップを撮った時に成宮君がKiriだと気づいたらしく。



私達2人のデートを見て、この企画を思いついたんだそうだ。


< 310 / 461 >

この作品をシェア

pagetop