ボクがキミをスキな理由【短編集】
秋風が窓の外から吹き込んできて
少し肌寒くなってきた教室で
俺は太一の肩をポンポンと叩く。



「離れてても、近くでも太一は俺の親友や。進路が違てもそれは一生変わらへん。せやろ??」



なだめるように
太一に言っても、



「ふーんだ。
そう言いながら、レオは俺のことなんて忘れちゃうんだろ?!」



ぷぅっとほっぺを膨らませたまま、太一は子どものように駄々をこねはじめる。




「太一~。」

「ふんっ。キレイな言葉になんて騙されてやらないんだから!!
断固反対!!
レオの海外脱出、断固反対~っ!」




ぷんぷん怒りながら
俺に当たり散らす太一。


そんな太一を見て


「太一、いい加減にしろ!!
ガキじゃねーんだから、いちいち玲央に当たるな!」

そう言って
拓海は太一のケツを
カツンと蹴りあげる。



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