ボクがキミをスキな理由【短編集】

①レオとシンバ

俺がカノジョ
新場 杏奈（ﾆｲﾊﾞ ｱﾝﾅ）と出会ったんは
俺が中学三年生の時やった。


中3といえば、受験真っ只中の受験生。
塾からの帰り道、俺がチャリンコをカシャカシャ走らせていると、真夜中の公園から美しい歌声が聞こえてきたんや。



俺達の住む町は海と川に恵まれた、水の都。




海辺には海浜公園が
川辺にはちょっとした
ボードウォークが設置されてるんやけど、歌声は川岸のボードウォークから聞こえてくる。




なんや……？？
こんな時間に誰が歌ってんねやろ……。




不思議に思って
歌声のする方へ向かって
自転車を押していくと……



そこには
天使のように
キレイな顔をした
女の人がいた。




茶色くてウェービーな
ロングヘアー


くりくりの目に
桜色のほっぺ



つやつやで形のいい唇に
ツンと整った鼻筋




天使のようにキレイで
天使のように美しい歌声




初めて俺がカノジョを見たときには、心底驚いた。




今思えばアホな話やけど、俺はほんまに天使を見たとおもったんや。




キレイで
儚くて
嘘みたいに神々しい、アンナ。




夜の公園で
美しい声で歌う、アンナ。




それが……
俺とアンナとの出会いやった。