ボクがキミをスキな理由【短編集】
――う、うわっ!!
その一撃で一瞬にして
現実世界に引き返された、俺
キョドキョドしながら
「あ、ごめん!!
あんまりキレイやったから
驚いてしもて……。」
正直にキモチを話すと
「あらら~、少年。
なかなかカンジのいい言葉だわぁ~。」
そう言って
うっとりした目をして
アンナは髪をかき上げる。
「その若さでそのセリフが言えるかぁ~。君、タダモノじゃないわね。」
「へっ!!?」
「そういう甘い言葉はね?オトナな悪いオトコが使う言葉よ?」
お、オトナな悪いオトコ!?
なんや、それ!!!
アンナの発した言葉に驚いて
キョトーンとしたまま
カノジョの顔を見つめていると
アンナはフッと笑って
「悪いオトナになりたくなったら、ここに来て?」
「…へっ!!?」
俺に一枚のフライヤー(チラシ)を
手渡した。