ボクがキミをスキな理由【短編集】
今やったら。
ちょっと経験値をつんだ今やったら
『そうや?アンタのコト忘れられへんかったから、毎日通っててん。何でバレたん??』
くらい、平気で言えると思う。
でもあん時の俺は必死やった
ホンマのこと知られるんが恥ずかしい
こんなに必死なことが恥ずかしい
自分のこのかっこ悪いココロのうちだけは絶対に誰にも悟られたくなかったんや。
とくに目の前におる……
アンナだけには。
だから俺は本心を知られまいと
むやみやたらと強がってみせた。
そんな風にコトの真実を
必死に隠そうとする俺を見て
「か~わい~い、レオ。
そういうところ、いいね。」
「はっ!!?」
「可愛くて可愛くて、食べちゃいたくなっちゃう。」
イタズラっぽくアンナが笑う。
「か、からかうな!!」
「あら、からかってなんてないわよ??そういう表情って見たの久しぶりだから、カワイクってドキドキしちゃうよ。」
「は、はぁっ!!?」
「ヤバイね。
そういうひたむきな顔見ると欲情しちゃいそうだよ。」