ボクがキミをスキな理由【短編集】
「……てる??
聞いてる?レオ。」
「ふ、ふへっ!!?」
アンナのうれしい申し出に完全トリップしてた俺は、少しムッとしたような彼女の声にハッと意識を取り戻す。
「もう。さては聞いてなかったな?」
「ご、ごめん。
デートに誘ってくれたんが嬉しすぎてトリップしてた…。」
少し不機嫌そうなアンナに
心の底から謝ると
「まったく。
ソレを素で言える辺りがワルイオトコ予備軍ね、レオ。」
呆れたようにアンナが笑う。
――は!?
意味がわからなくて聞き返すと
「わからない??
私はキミのその言葉にときめいちゃったの。
ドキドキしちゃったのよ、レオ。」
「…えぇ!!?」
「そういうオンナ殺しのセリフはね?
いけない大人のオトコがベッドに誘うときに吐く言葉。
キミって…カラダは少年のクセに中身はワルイオトコの要素が満載なのね。」
そう言って
アンナはまた呆れたようにフフッと笑った。