ボクがキミをスキな理由【短編集】
『すごいわ!望月くん!!
この調子で頑張ってね!!
今なら海星合格間違いナシよ!!』
嬉しそうに微笑む担任に
『偉いな、レオは。
頑張ったな。』
俺の頑張りを言葉少なに褒めてくれた、オヤジ。
多分、あのまま受験してれば俺は海星学園に入学することになったんやろう。
でも……
俺が進学した高校は“高波男子高校”
あの時の担任と塾の講師とオヤジの落胆振を思い出すと、今でも胸が締め付けられる。
そのことを疑問に思ったんやろう。
「なんでレオは高波なんかに来ちゃったのさ。」
「ええ?」
「ウチもそんなに偏差値は低くはないけど、海星ほどじゃない。海星合格間違いなしって言われてたのに、なんでウチなんかに来ちゃったのさ。」