ボクがキミをスキな理由【短編集】



性欲と食欲



今ならその2つがとても密接なものだということはよくわかる。



食べたい時に食べたい分だけ
手を変え品を変え、
目の前にあるごちそうを切り分け、目で愛で、口に運び、幸せを味わう。



その行為はとてもSEXとよく似ていて…



アンナの言うとおり、食べ方に好感の持てる女の子とのSEXはいろんな意味で相性がいいし、食べ方に品のない女の子とは正直そういう気分にならないし、途中で萎える。





今ならわかる、その関係性。


でもあの時の俺はそんなコト気づきもしなければ、わかりもしない。


でもアンナの理想に近づくべく、食事のマナーと、たわいないお礼の言い方を伝授してもらった俺は、その日から早速ソレを実施。





アンナに会うたび、気をつけてゆっくり食べて。
なにか起こった時には柔らかに丁寧にお礼を言っていると




「レオ、食べ方がキレイになったね。」




1ヵ月後にはそう言って貰えるようになった。








「当たり前やろ??
そんな目ぇして見てるんやと思ったら、気ぃ抜けへんもん。」



くすくす笑いながら
でも少し得意げになりながら、目の前にあるハンバーグをつついていると



「10代の吸収力って凄いのね。
でも……もともとレオの食べ方は凄くきれいで、だけど男性的で、私はとっても好感持ってたけどね??」



妖艶な笑みを浮かべながらアンナは俺を誘惑するように、フフッと微笑む。





< 379 / 461 >

この作品をシェア

pagetop