ボクがキミをスキな理由【短編集】



卵からかえった雛鳥のように
無我夢中でアンナだけを追いかけてた
あの頃の俺



アンナは俺にいろんなことを教えてくれた




食事の仕方はもちろん
品のある立ち振る舞い


ジャズの楽しみ方に
名盤と呼ばれるCDの名前


そしてイイオトコほど優しい男なのだということも教えてもらった。







『できる男って傲慢なイメージがあるけど違うんか??』


『中途半端にデキる二流の男はダメね。
変にプライドを振りかざして自分より能力のある人を認められない。』


『そうなん??』


『うん。レオもきっとそういう人に出会ったらわかるよ。
本当に人格も何もかもが素晴らしい一流の男はね??
どんな人に優しい、自然体な人。
本当に力のある人はね??自分より立場は下でも、上でもどんな人にも愛を忘れたりしないものよ。』






そう言って
アンナは夜空を見上げる。





秋が来て
もうすぐ冬が来ようとしている、あのボードウォークでアンナは誰かを思い出しているかのように遠い目をして夜空を見上げる。




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