ボクがキミをスキな理由【短編集】
どうか神様
見たことも信じたこともない
この世の神様
俺からアンナを奪わないでください
初めて好きになった人なんです。
誰よりも大切で、
誰よりも好きな人なんです。
お願いです、神様
あともう少しだけ待ってください
俺が大人になれるまで
カノジョの笑顔に
追いつくことができる日まで
あともう少し、
あともう少しだけ待ってください――……
願いを込めて
祈りを込めて
泣きそうな顔して抱きしめる俺をカノジョは不思議に思ったんだろう。
カノジョは俺の背中に手を伸ばし
ゆっくりとさすりながら
「どうしたの?レオ。」
なだめるように、耳元でそう囁く。
「別に??なんでもない。」
「そんなはずない。
そんな泣きそうな顔してどうしたの??」
「ただ…寒いだけや。
寒いからアンナにあっためて貰いたかったんや。」