ボクがキミをスキな理由【短編集】
アンナが自分の目の前からいなくなりそうで怖いだなんて
いつか自分が捨てられそうで怖いだなんて
そんなカッコ悪いことはアンナの前では言えそうになくって
「あっためてや、アンナ。
ギューって俺のコト抱きしめてよ…。」
すがるような瞳で
カノジョの瞳を見つめると、
アンナは俺の髪にスルスルと指を絡ませて
「かわいいひと。
好きよ、レオ…。」
そう言って
俺の瞳をじっと見つめると
俺の唇に触れるだけのキスをした――……
頬を刺す冷たい空気と
満天の星空の下
柔らかなアンナの唇が
俺の唇を優しく奪う。
最初はただ寄せるだけ
でも、アンナが角度を変えて、何度も何度も俺の唇をついばむように、甘い甘いキスを俺にしてくれるから
「ごめん、もう限界……」
俺はアイツの後頭部に手を寄せて
少し強く引き寄せて
無我夢中でキスをした。