ボクがキミをスキな理由【短編集】
その日は静かな夜やった。
濃紺に染まる海と
きらめく星達
遠くに光る街の明かりに
冷たく頬を撫でる風
さざめく波と
淡く光る下弦の月だけが
俺たちのコトをずっと見ていた。
静かで穏やかな中に隠された、
熱い情熱
ガキな俺の精一杯の強がり
外見は冷静を装っていても、心の中は不安でいっぱい
精一杯背伸びして
大人ぶって見せても、
あの時の俺はたかだか15歳の
ケツの青いクソガキ
そんな俺がスマートにカッコよく、オンナをベッドに誘えるはずなんてない。
口では冷静に
そして表面は落ち着いてるように
涼しい瞳でアンナをじっと見つめてたけど、きっとアンナはいっぱいいっぱいの俺に気づいてたと思う。
熱い瞳で
何も語らず
ただひたすらにアンナの答えを待っていると
「まいった……
想像以上にワルイオトコね、レオ。」
そう言って
アンナはアハハと笑って、フワフワの髪をかきあげる。