ボクがキミをスキな理由【短編集】
「随分エキセントリックな関係やなぁ。
ずっと育てた養女を手にかけるやなんて、光源氏以上の変態オトコやないか。」
フンッと嘲るように鼻で笑って
侮蔑の表情をアンナに送ると
「違う!
譲さんを誘ったのは私なの!
彼は何も悪くない!」
必死な顔して
彼女はあの人を庇う。
その姿を見て俺はさらに怒りをつのらせる
そんなに必死に庇うくらい
アンナはアイツが好きなんか?!
あの人は俺みたいなガキじゃないから
アイツはアンナの望む全部を持ってるオトコやから
だからアイツを選ぶんか?!
そう想っただけで
頭の中が沸騰しそうで
俺はハンドルを握る手の力を無意識のうちにギュゥゥゥと強くした。
「レオ。私は確かにあの人に恋してた。
大好きで大好きでそれしかなかった。」
ウルサイ
ウルサイ
ウルサイ!!
「だけど、それは過去のことだわ。
だって今の私はあなたが好きだから。
レオを傷つけるようなこと、私は絶対にしないから安心して??」
ウルサイ
ウルサイ
ウルサイ!!!
限界までイラついて
自分の気持ちが制御不能なほどに沸騰した俺は
「なんや、それ。
アンタなりの同情か??
かわいそうなペットに優しい言葉かけて、安心させて、自分の気持ちすら誤魔化してそれでアンタは満足か!!」
憎しみと怒りの全てをぶつけて、アンナを睨んでいた。