ボクがキミをスキな理由【短編集】
カラダを少し動かすだけでギシギシ軋んで痛い、俺のカラダ
どうもココは大部屋ではなく個室らしくて
俺のカラダにはいろんな管とコードがぐるんぐるん巻きついている。
それだけ俺の状態は軽症ではなく“重症”ってことなんやろう。
厳戒態勢の病室に
抜かりのない看護体勢
それらが事故の重さを物語る。
俺……
こんな状態で来週の高波男子校の受験に行けるんやろうか……
自分の置かれた状況を冷静に分析して
非常事態宣言な状況に気がつくと、めーっちゃ不安になってきた!!
アンナには捨てられ
(…ってまだハッキリ言われたわけやないけど!)
有名進学校への受験は失敗
(ってコレは不可抗力やけども!!)
このまま高波の受験すら出来ず、二次募集にも引っかからず、高校浪人なんてしたら……
俺の人生、ホンマに暗黒時代に突入してしまうんやないか……!!?
「い、いやや~~~~!!
高校浪人だけは絶対嫌や~~!!」
「何言うてんのや。
落ちたら落ちたでそういう縁やったっちゅーこっちゃ。諦めろ、玲央」
ガハハハと笑う親父の、この言葉
さっきは逞しく思えたオヤジの言葉がこんなにも心細くなるやなんて!!
なにがどうなっても諦めきれんやろ!
さすがにイヤやろ、高校浪人!!
「アホか!!
俺が路頭に迷う、だらしないオトナになったら誰が責任とってくれんねん~~~!!!」
半泣きになりながら
ベッドの布団をバンバンと殴り続けると
「バカね。
そうなったら私が面倒見てあげるわよ。」
クスクス笑いながら
個室の扉を開いて、白いワンピースを着た俺の天使が現れた。