ボクがキミをスキな理由【短編集】
――な、なんやねん。今の!
『失恋なんて一瞬の傷みやから、アッサリサックリふってもエエで~!!』
っていう言葉と同義語やろ、今の!!
オヤジの残した恐ろしい一言に戦々恐々となりながら、アンナの表情を盗み見ると
「レオのお父様って……
素敵な方ね。」
アンナはオヤジが出ていった扉を見つめながらポツリと呟く。
――え、えぇっ?!
ま、まさかコイツ、オヤジもストライクゾーンなんか?!
譲さん→40代
オヤジ→40代
俺→10代
う、うわぁっ!!
冷静に考えたらアンナはオジサマキラーやんか!
譲さんだけでもいっぱいいっぱいやのに、ここにオヤジまで加わったら、俺はどうすればいいんやろう……
まさかのオヤジの参戦に
ガクーンと肩を落としていると
「またバカなこと考えてるでしょう。」
俺のオデコをツンとつついて、アンナが呆れたように俺を見つめる。
「レオが素敵な男の子なのは、あんなに素敵なお父様に育てられたからなんだなぁと思っただけよ?
恋なんてしてないから、安心して。」