ボクがキミをスキな理由【短編集】
「え……???」
「私と譲さんの関係はとっくの昔に終わってる。6年前の三日月の夜に……全部全部終わったの。
だから……私はどこにも行かない。
安心して?レオ。」
俺の頭をやさしくヨシヨシと撫でながら、アンナは俺に微笑みかける。
さっきまでなら
さっきまでの俺なら小躍りして、アンナのその選択を喜んだやろう。
せやけど……
あんな話を聞いた後には、素直に喜ぶことができへん自分がいる。
「ほんまに……それでええんか?」
「アンナは……
その選択でほんまに後悔せぇへんか??」
静かな目をしてアンナに問いかけると、アンナは“もちろん”と甘く微笑む。
「私にはレオがいる。
レオがいてくれれば、寂しくないわ。」
そう言って
俺の胸の上にコテンと頭を置くアンナを死ぬほど愛しいと思う。
この手を離したくないと、切に願う。
だけど……
「アンナのその気持ちは……愛であって恋やないやろ??」
俺はこう切り出した。