ボクがキミをスキな理由【短編集】
俺の発した一言に
病室の空気が一瞬にして凍りつく
「俺はアンナと一緒にいたい。
俺がアンナ好みのイイオトコに成長していくんを一番の特等席で見ていて欲しい。
でも……アンナはホンマにそうしたいんか??」
その問いかけに
「…あたりまえでしょ?
私のレオがイイオトコになるのを見守りたいわ。
誰よりも近くで、誰よりも愛情を注いで……ね。」
アンナはいつもどおりの笑顔を向けて、柔らかに俺にニッコリ微笑みかける。
だけど……
俺はその言葉が真実だとは思えなかった。
「アンナ。」
「なぁに?レオ。」
俺の胸の上に頭をもたれかけて
甘えたように囁く彼女に俺はこう切り出す。
「アンナの気持ちは愛やけど恋じゃない。
ホンマにアンナが愛して、恋してるのは…譲さんちゃうか?」
その言葉を聞いた途端
「ちがう!!」
ガバッと勢いよく頭を上げて
「私は譲さんに恋なんてしてない!!
アレはもう終わった恋だもの!!」
まるでダダをこねている子どものように、アンナはムキになりながら必死に俺に言い訳をしはじめる。