ボクがキミをスキな理由【短編集】
白いワンピース
白いシーツ
山ほど聞いたJAZZに
初めて覚えた甘い快感
初めてのキスに
初めて覚えた恋
そして初めて知った
愛しいという気持ち
俺の全ての初めてを捧げた
最愛の人
大好きで
大好きで
大好きなアンナ
でも……
俺がいなくなることで
意地っ張りのカノジョが
少しでも素直になることができるなら
きっとこの選択が一番いいに決まってる。
「アンナ。
オマエはオマエの選ぶ道を生きればエエ。
せやから俺とはココでサヨナラや。」
(イヤヤ。ホンマハ、ハナレタクナイ!)
「本気……??」
「アホか。
こんなこと冗談で言えるかい!!
本気も本気、大本気や!!」
(ウソヤ!ホンマハ、ハナレタクナンテナイ!)
俺はまぶたの奥からこみ上げる熱いものを必死にこらえながら、コブシをギュッとギュッと握り締めて、キッと顔を上げると、まっすぐにアンナを見つめてこう言った。
「バイバイ、アンナ。
どうか譲さんと幸せに…な??」