ボクがキミをスキな理由【短編集】
「手紙とか電話とか、そういうのも一切ないのか??」
そう問いかける拓海に
「いや……
最後にラブレターは貰ったで?」
ニッコリと俺は微笑む。
「えぇっ?なにそれっ!」
「マジで??
中には何が書いてあったんだよっ!!」
目をランランとさせながら
二人が俺の机にかじりつくと
♪キンコーン、カーンコーン♪
タイミング悪く、昼休みの終わりを告げるチャイムが学校中に鳴り響く。
「えぇ~?」
「い、いいとこだったのに……。」
恨めしそうにチャイムの聞こえたスピーカーを二人が見上げ、ガックリと肩を落とす。
イイ男二人が項垂れてる姿がやたらめったら面白くて
「さっきも言うたやろ?
“私の知らない世界を沢山見てきて”って書いてたんや。」
と肩を叩くと
「オラー!席につけ~!!
授業始めるぞー!」
数学担当の教師が偉そうな声を張り上げながら、教室に入ってきた。
「く、くそ!!」
「レオ!
その話!またあとでちゃんと教えてよっ?!」
悔しげな顔をしながら
捨て台詞を残して去っていく二人を見て、俺はククッと小さく肩を震わせる。