ボクがキミをスキな理由【短編集】
◇告白
「ご指摘の通り。
あたしは…アンタが好きよ、太一。」
開き直ったオンナは怖い。動揺一つせずにゆみちゃんは言い切った。
「だ、だって今までそんなこと一言も…!!」
「言った所で何も変わらないでしょ?」
「…えっ!?」
「どうせ太一はあたしが告白したって聞いてないフリするか、なかったことにするかどっちかでしょ?」
う゛っ…。鋭い……。
「それなら…アンタが気づいてくれるまで待ってようと思ったの。聞いてないフリもなかったフリも、お断りだったから。」
そうやって淡々と語るユミちゃんを見て
―オンナって…怖い。
俺はこの場で初めて思った。