ボクがキミをスキな理由【短編集】
そう…思って。
うつ向きながら呟くと
「……わかった……。」
ユミちゃんはサッと立ち上がって、俺の部屋の扉に手をかけた。
これからも友達でいてくれる?
なんてムシのいいこと言えない。
ユミちゃんのことは好き。
だけど気持ちに答えられないなら、引きとめちゃいけない。
イイヤツぶりたくない。
ちゃんと俺のコトは過去にして、ユミちゃんだけを大事にしてくれる誰かを見つけて欲しい。
引き止めたい気持ちと、理性が俺の中で目一杯戦って。拳を握りしめながら引き止めたい気持ちを押さえていると…
「ありがとう…、太一。」
ユミちゃんはそれだけを呟いて、走り去るように俺の部屋を後にした。