ボクがキミをスキな理由【短編集】
「…で?
どうなんだ?ユミちゃんと只の他人になってみて。」
昼休みの教室で、パンをかじりながら拓海が面白そうに俺の顔を覗きこむ。
「うーん。ちょっと変な感じ。
当たり前にいた人が、隣にいない日常は…、まだちょっと慣れないなぁ。」
窓の外を見ながらフゥとため息を吐くと
「ふーん。ユミちゃんのこと、気になりはじめてるんとちゃうか?」
玲央はそう言って俺のオデコをピンッとデコピンした。