ボクがキミをスキな理由【短編集】


とは言ったものの。机の上に置かれたプリントの束を見て


「はぁぁ~っ。」


やる気と吐き気が一緒になって襲い出す。問題をパラパラ読んでも、意味が全く理解できない。xだのyだの√だの見ているだけで頭がイタイ。


どうしよう……。
問題の意味さえわからないのに、それを解くなんてもっと無理だよ!


ゴールが遠すぎて、プリントの山を見ながらボーッとしていると。



ポイッ



プリントの上に丸まった小さな紙が飛んできた。辺りを見回してカサカサとそのメモを開けると…


『星野さん、大丈夫?
死にそうな顔してたから気になって……。

成宮仁』


手紙の差出人は隣の席の成宮くん。


うう、、、!!


私は泣きそうになりながら



『ダメ。
私、数学苦手なの。こんなにいっぱい、期日までに出来そうにないよ。』


机の中にあったキティちゃんのメモ用紙に書き込んで成宮くんに渡す。



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