ボクがキミをスキな理由【短編集】
「沙良~!!帰ろっ!!」
放課後、私の肩をポンッと叩いた葉月。
「ゴメン…。
私、コレを片づけて帰るから…。」
机の上にドッサリ置かれたプリントの山を見ると、葉月は“げ~っ”て顔して私の肩をポンッと叩いた。
「頑張りなよ。」
「……うん…。」
葉月と弥生は哀れみの目を向けながら教室を出ていった。
あ…、成宮くんいるかな…。
一緒に図書室に行こうと、彼を探すけれど彼は教室の中には見当たらなくて。トボトボとプリントの山とカバンを持って図書室へ歩いて行くと…窓際の一番日当たりのいい席で、成宮くんは小さな文庫本を読んでいた。