ボクがキミをスキな理由【短編集】
「そんなことない!!普段から一生懸命勉強してるから、わかったんでしょ?
私…、本当にスゴいと思う。」
そう言って彼を見つめると、彼は一瞬言葉を失って黙りこくる。その後に、顔を真っ赤にしながら
「そんなこと…、言われたコトないから本当にうれしい…。星野さん、ありがとう。」
はにかみながら恥ずかしそうに成宮くんは下を向く。
そんな彼を見ていると私まで恥ずかしくなってきて、二人で顔を真っ赤にしながら黙々と問題を解いていった。
「ほら…。ここまで考え方は合ってるからxにyを代入して……」
「うん…。」
「OK、そこまで合ってる。そしたら答えは…??」
「わかった!!214だ!!」
「そう、正解。
じゃあその調子でコレも解いてごらん?理屈は全部同じだよ?」
成宮くんはとっても教え方が上手で、向井先生の授業よりも親切でわかりやすい。