恋ってなぁに?
一目惚れ
4時間目の英語の時間、居眠りをしていたら先生に叱られた。
罰として、今日の宿題のノートをクラス分集めて
職員室まで持って来るように言われてしまった、可哀想なあたし。
「はぁ~。奈々待ってるよなぁ」
職員室からの帰り道。
あたしはパタパタと上履きを鳴らしながら、廊下を早足で進む。
きっと優しい奈々は、お弁当を食べずにあたしの帰りを待ってくれてる。
どんなに「先食べてて」って言っても絶対待ってくれてる、奈々はそんな子なんだ。
長い間奈々を待たせるわけにいかない。
あたしはとにかく教室までの道を急いだ。
…ん?
昼休みにはほとんど人気のないこの廊下で、かすかに話声が聞こえる。
しかもその話声のする場所は、教室に向かうには必ず通らなければならない階段のようだ。
あたしは誰だろな~と思いながらも、特に気にすることなく階段を目指す。