汝、風を斬れ
その後、王家の策により、裏王家は王城から追放された。王家が密かに育てていた精鋭軍により、不平の声を上げていた軍部は押さえられた。そして裏王家の存在を示すような文章や芸術品はことごとく塗り潰され、燃やされ、破壊され、再びの製造を堅く禁止され、その存在は否定されて、裏王家は消えた。長い年月を経て、人々の記憶からも。
しかし。
その血は続いていた。細々と。続いていたが、子孫は先祖について何も聞かされていなかった。一般の民に溶けてしまっていた。