汝、風を斬れ
 この国の王、シャウド・コーカス・フレイン・セリス十八世は政治の得意な人物だ。その第一子で世継ぎであるファンイル・コーカス・デイリア・セリス十九世も、現在はまだ勉強中ではあるもの、将来、この国を背負って行くのに充分な人間である。

 二年前に収束した世界大戦の影響だろうか。いや、国民への対応や配慮は、速やか且つ的確に行われ、失業者の数など、近隣国に比べれば極わずかだ。一体、なぜ……。
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