汝、風を斬れ
セントの右耳では、反乱兵の首領からすべての反乱兵に送ったメッセージが繰り返し流れている。森の中にいるためか、音は時折途切れる。誰の声なのか知ることも難しい。
「王女を探せ……淡い青の髪に湖の底の色の瞳を……抵抗す……ば、致命傷にならない……攻撃は認める……王女を探せ……」
やがて、それを遮るように、生の人間の声がした。
「……ん」
一瞬睫を震わせると、ゆっくりとその双眸を覗かせる。見慣れない景色に驚いたのか、素早く体を起こした。王女が目覚めた。
「お目覚めになりましたか。気分はどうですか」
セントが問う。一方、王女はたじろいだ。知らない男が傍にいるのだ。
「……あなたは……ここはどこですか」
姫は目の前の男に聞く。男の姿……小さな明かりでわかるのは、輝く髪、つり気味の双眸、その中の深い色の光彩。整った顔立ち。肩の向こうに見える剣の柄。そして、少し汚れた白い軍服。
「王女を探せ……淡い青の髪に湖の底の色の瞳を……抵抗す……ば、致命傷にならない……攻撃は認める……王女を探せ……」
やがて、それを遮るように、生の人間の声がした。
「……ん」
一瞬睫を震わせると、ゆっくりとその双眸を覗かせる。見慣れない景色に驚いたのか、素早く体を起こした。王女が目覚めた。
「お目覚めになりましたか。気分はどうですか」
セントが問う。一方、王女はたじろいだ。知らない男が傍にいるのだ。
「……あなたは……ここはどこですか」
姫は目の前の男に聞く。男の姿……小さな明かりでわかるのは、輝く髪、つり気味の双眸、その中の深い色の光彩。整った顔立ち。肩の向こうに見える剣の柄。そして、少し汚れた白い軍服。