汝、風を斬れ

 目覚めたらいつもの天井で、ジンの顔があった。目が赤い。
「ジン……」
 ジンはキュアの手をそっと握った。
「あなたは、私が護ります……でも、」
 キュアは飛び起きた。
「でも?」
 何を言うの? 私を一人にするの?
「少しだけ……今日だけ、休ませて下さい」

 それはあまりに、寂しい笑顔だった。

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