汝、風を斬れ
「大丈夫、なの?」
大きな瞳に溜まった熱いものが零れ落ちる。赤みを帯びた両の頬に筋が走った。
セントはすい、と息を飲んだ。人が倒れただの起きただの、兵士である自分にとっては日常茶飯事であるが、この佳人にとってはどうか。目の前で自分が倒れるなど、どれほどの心配をかけたのか。見上げる視線は切なく、こんな空気は苦手だった。
だから、満面の笑みでセントは答えた。
「はい」
姫の唇の端が上がった。それを見て、ジンもほっと胸をなで下ろす。
空気が暖まる。
大きな瞳に溜まった熱いものが零れ落ちる。赤みを帯びた両の頬に筋が走った。
セントはすい、と息を飲んだ。人が倒れただの起きただの、兵士である自分にとっては日常茶飯事であるが、この佳人にとってはどうか。目の前で自分が倒れるなど、どれほどの心配をかけたのか。見上げる視線は切なく、こんな空気は苦手だった。
だから、満面の笑みでセントは答えた。
「はい」
姫の唇の端が上がった。それを見て、ジンもほっと胸をなで下ろす。
空気が暖まる。