汝、風を斬れ
「これをどこに運べば」
ジンとローナは倉庫にいた。大きな袋の荷物。ローナは、袋を抱えて不安定なジンを押し倒した。ジンに見えるように、服の前をはだける。
「ここに、いて」
「ローナさ……」
「キャアアアアアア!」
悲鳴。キュアのもの。
「キュア!」
ローナをはね除ける。大体のことは察しが付いた。あの主人と口裏を合わせて……と考えながらジンは部屋へ走る。
「しくじったね、ハス……」
「やめて! ……や……ジン! ジン!!」
「キュア!!」
ジンは大きくドアを開けた。廊下の明かりが部屋へ入る。
「!」
気付いてジンはドアを閉めた。が、時既に遅し。キュアの無事は確認できたが、見られてしまった。