汝、風を斬れ
ここの部屋は……。どうやら客室のようだ。天蓋付きのベッドに誰かが休んでいる。物音を立てずに、ひらり部屋に入る。そのままドアの方へ進む。廊下に人のいる気配はない。鍵穴から覗く限り人の姿はない。
セントはドアノブに手を掛けた。動かない。鍵が掛かっている。……どうする。
「……誰かいるの?」
人の声。起こしたか。
自分に警告を与えるための耳鳴りがして、魔法は解けた。
ベッドから出てきたその人は、セントを見て、危惧の言葉を口にした。
「……まさか」
セントは振り返り、その人を見て、同じ言葉を口にした。
「まさか……」
「セント」「母さん」
セントはドアノブに手を掛けた。動かない。鍵が掛かっている。……どうする。
「……誰かいるの?」
人の声。起こしたか。
自分に警告を与えるための耳鳴りがして、魔法は解けた。
ベッドから出てきたその人は、セントを見て、危惧の言葉を口にした。
「……まさか」
セントは振り返り、その人を見て、同じ言葉を口にした。
「まさか……」
「セント」「母さん」