屋上の君とわたし

そして今日もここ「cherry」でバイト。

「こんにちはー!」

扉を開けると香ばしいコーヒーの香りが私の鼻をくすぐった。

次の瞬間、私はフルーツの香りに包まれた。

「照ちゃーん!待ってたよー!」

なんて言いながら抱きついてくる隆(タカシ)さん。

彼はお客さん。

私が初めてここに来たときもいて、1番最初に声をかけてくれた人。

そして私の兄のような存在。


「隆さん…毎回、抱きついて、くるの、やめません、か?」

180あると思われる背の高い隆さんに抱きつかれた158の私は、どうにか声を出した。

「あー息苦しいよね。ごめんごめん。」

そう言って体を離してくれた。

「でも…やめないよ?」

って悪戯な笑顔で言われても

「困ります!」


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