屋上の君とわたし
3.黒い大きな犬

そして今日も私は屋上に向かう。

今日は空が澄んでいてとても綺麗。

仰向けになって星を眺めていたら、バイトの疲れからか私は深い眠りについた。



―――照。

私を呼ぶのは誰?

目を開けてみると、目の前に真っ黒な犬が座っていた。

「こんなとこで寝てたら風邪ひくよ?」

「へ?あ、そうですよね。…あの、あなたは誰ですか?」

「俺?昨日会ったじゃん。覚えてない?」


昨日は誰に会ったっけ。

「あ…あれ?柴犬?」

「うん、昨日は柴犬。今日は黒ラブ。」

「同じなの?姿が違う…」

「目を覚ませば分かるよ。このままじゃ本当に風邪ひくよ。」


< 16 / 44 >

この作品をシェア

pagetop