屋上の君とわたし
3.黒い大きな犬
そして今日も私は屋上に向かう。
今日は空が澄んでいてとても綺麗。
仰向けになって星を眺めていたら、バイトの疲れからか私は深い眠りについた。
―――照。
私を呼ぶのは誰?
目を開けてみると、目の前に真っ黒な犬が座っていた。
「こんなとこで寝てたら風邪ひくよ?」
「へ?あ、そうですよね。…あの、あなたは誰ですか?」
「俺?昨日会ったじゃん。覚えてない?」
昨日は誰に会ったっけ。
「あ…あれ?柴犬?」
「うん、昨日は柴犬。今日は黒ラブ。」
「同じなの?姿が違う…」
「目を覚ませば分かるよ。このままじゃ本当に風邪ひくよ。」