屋上の君とわたし
目を開けるとそこには昨日の「彼」が立っていた。
「こんばんは、照。こんなことで寝てたら風邪ひくよ?」
え…?
ビックリして私は勢いよく上半身を起こす。
「あ……、一ノ瀬純!」
「どーも。」
彼を見るとジーパンに黒いジャンバーを着ている。
そういえば昨日は茶色のコート着てたような気がする。
「黒ラブ…柴犬?」
「え?何が?」
夢に出てきたのは彼だったのかな。
でも…私ってばなんで昨日会ったこと忘れちゃってたんだろ。
「あ、なんでもないです。」
「ねえ、敬語やめない?名前も純でいーからさ。」
そう言って笑う彼は、くやしいけどやっぱりカッコイイ。