屋上の君とわたし

「あ、はい。…じゃなくて、うん。」

そう言ったら彼はおかしそうに笑った。


「照はなんでここに来るの?」

急に言われて、何て答えればいいか困った。

なんで…?

もう習慣になっちゃってるし。

いつからだったかな。

去年の…8月だ。


「ここが好きだから。1人で寝っ転がって空を見てたら、1人なのに1人じゃないような気分になるの。素敵でしょ?」

今言ったのは本当。

去年に初めてここに来たときに、この空に心が救われた。


「俺もここ好きだよ。昔よく来てたんだ。」

「え、本当ですか!?」

「…敬語戻ってるよ?」

あ、しまった。

だって純はどう見ても私より年上なんだもん。


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