屋上の君とわたし
何事かと純を見ると、なぜか笑ってて。
「俺さ、照の学校どこか知らないんだけど……。」
………あ!
「え、あ、ごめん。そうだよね。」
「ついでにもう1つ言うと、ケー番とか教えてくれる?」
「……私の?」
「照じゃなかったら誰だよ!」
よほどツボに入ったみたいで楽しそうに笑ってる。
もう、さっきから恥ずかしいなあ。
笑ってる純を横目で見つつ、バックからケータイを取り出した。
「ありがとな。これで迎えに行ける。」
お互いのケー番、アドレス、私の学校、下校時刻、純の車の色。
一通り教え合って私たちは別れた。
家に帰って布団に入ってケータイを見つめた。
私のケータイに「一ノ瀬 純」の文字。
嬉しい。
私たち屋上だけの関係だった。
でももしかしたら……
温かい気持ちを胸に抱いて、ゆっくりと私は眠りに落ちていった。