屋上の君とわたし

「ああ、これね、たまーにだけど。」

私タバコ嫌いだけど、純の吸うタバコの匂いわ嫌いじゃない。

なんか甘い匂い。


「さ、行きますか……。どうぞ?」

なんて助手席のドアを開けて私を見る。

様になってるのがすごい。

大人の男の人なんだなって実感する。


知らない純をたくさん見れて、なんか嬉しいな。

自然と笑顔が溢れた。

「ありがと」


車を運転する姿がカッコよくて、ただじーっと見つめてた。

そしたら赤信号で止まって、純に目を手で隠された。

「そんな見んなよー…恥ずかしいじゃん。」


純の手をどかすと、ちょっとだけ赤い顔。

ホントにまだまだ知らないことはいっぱいあったんだ。

屋上で会ってるだけだと、分からなかったこと。

今日こうして会えて本当に良かった。


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