屋上の君とわたし
「っあ!」
私の家の近く、すなわちお店の近くまで来てあることを忘れてたのに気付いた。
「どうした?」
「…駐車場のこと聞くの忘れてた。」
楽しみすぎて、本当にすっかり忘れてた。
「ごめんね。ちょっと電話してもいい?」
笑って頷く純を見て、ケータイを取り出す。
誰にかける?
マスターは今大丈夫かなあ…。
それか隆さんだよね。
んー…どっち?
ピ プルルルルル プルルルルル
『もしもしー?照どした?』
「マスター?こんな時間にごめんなさい。忙しかったりしました?」
『んや。喋ってただけ。…何かあったか?』
よかった。
隆さんよりマスターに聞く方が確実だもんね。
「あの、お店って駐車場ありましたっけ?」
『…………。』
へ?
何、この沈黙。