屋上の君とわたし

「っあ!」

私の家の近く、すなわちお店の近くまで来てあることを忘れてたのに気付いた。

「どうした?」

「…駐車場のこと聞くの忘れてた。」

楽しみすぎて、本当にすっかり忘れてた。

「ごめんね。ちょっと電話してもいい?」

笑って頷く純を見て、ケータイを取り出す。


誰にかける?

マスターは今大丈夫かなあ…。

それか隆さんだよね。

んー…どっち?


ピ プルルルルル プルルルルル

『もしもしー?照どした?』

「マスター?こんな時間にごめんなさい。忙しかったりしました?」

『んや。喋ってただけ。…何かあったか?』

よかった。

隆さんよりマスターに聞く方が確実だもんね。

「あの、お店って駐車場ありましたっけ?」

『…………。』


へ?

何、この沈黙。


< 31 / 44 >

この作品をシェア

pagetop