屋上の君とわたし
「ま、そーいう訳でさっさと引き上げてやってきた訳よ。」
そう言って笑うと私の髪をくしゃくしゃ撫でて、ほら行くぞって2人のとこに引っ張って言ってくれた。
「おっ照。来たな。お前はいつものやつだよな?」
そう言ってカウンター席をひいて座らせてくれた。
「はい。オレンジで。」
マスターはカウンターの中に戻って純にメニューを見せて笑った。
「純くんはどうする?おすすめは……まあ、全部だから!」
「ははっ。じゃあアメリカンをアイスで。」
「はいはーい。ちょっと待っててな。」
なんかすごく親しげな感じ。
「隆さん。やっぱりマスターってすごいですよね。」
「…え?何が?」
急に言った私に、本気で意味が分からないといった顔の隆さん。
「お店に来た人みんなと仲良くて、初対面でもすぐに打ち解けられる。私には真似できないもん。」