屋上の君とわたし
「君はいつもここにいるの?」
私の隣に座って彼はそう言った。
私…だよね?
「いつも…じゃないですけど、よくここにいます。」
そう言ったら彼は嬉しそうに私を見て、手を差し出した。
「俺、一ノ瀬純」
彼の笑顔は…なんだか犬っぽい。
人の警戒心を簡単にとく人。
「私…は、掛井照ーテルーです」
差し出された手を握った。
「照…か。またここに来てもいい?」
「え…っと。どうぞ?」
そう言ったら彼は立ち上がって、満面の笑みで「またなー!」って言って屋上から出ていった。
彼が階段を降りていく音が、私の耳にいつまでも残った。