屋上の君とわたし

「コーヒー頂けますか?」

って聞いたらすごく嬉しそうに、「Cherry」まで案内してくれた。

「ここだよ!」

って最初言われた時は、どこにお店があるか分かんなくて思わず

「どこ…ですか?」

って聞いちゃったくらい分かりにくいお店。

ちょっと古びたビルの道路に面している階段を地下に少し下って奥に行くと、レトロな外観のドアに「Cherry」とフダがかけられていた。

地上には看板なんて1つもなくて、絶対客入り悪そう。

なのにお店に入るとたくさんのお客さんで賑わっていた。

「あ、マスター!どこ行ってたんだよー」

と声をかけられたマスターは

「ナンパして来ちゃった!」

なんて笑ってみせる。


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