小さな恋の話


教室に向かう途中



スピーカーから
あたしの名前が響いた






どうやら
さぼったのが
ばれたらしい







あたしは放送通り
職員室への階段を上った






「もうどこにいたの?!」



あたしを待っていたのは
先生でも
つまらないお説教でもなかった






イツメンの1人
雅だった






雅はイツメンの中では
おとなしいほうだった






だからあたしの件も
見てみぬふりしてたんだ






「心配したよ?」



雅は汗だくになりながら言った






雅はあたしのこと
1時間ずっと探してくれたらしい






言葉がでなかった









いまさらなんだよとか

同情かよとか

なに??
自己満足に浸りたいの??とか




そんな皮肉よりも
単純に

嬉しかった






あたしは
ただただ雅に謝るしかなかった






涙はこらえた






雅のために
泣くより笑っていたかったから
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