俺様のお姫様
「~没収!」


なっ…!


そう奈々姫のこの声と共にケーキが没収されるのかと思いきや、私が引っ張られた。


「あ!!ちょい奈々姫!!」

「問答無用!!さぁ行くぞ!!」


言いながらズカズカとどんどん歩いて行く。


なんと!


どんどんケーキが離れていくではないか。


いや、自分が動いているのだからそれはあたり前なのだが、む~。


このままだとケーキを食べれず教室に連れ戻される。


それは…。


それは…


「やっ…やだー!!」


許してなるものか!


何が何でも全部食べるんだ!


その信念だけで奈々姫から逃げると前も見ずに走った。


そして


「って…。」


当然ながらぶつかった。


それも人に。


しかもぶつかって一緒に倒れこんだ。


「いったぁ~い。」


ぶつけた頭を擦りながら起き上がった。


何事もないように。


しかし、起きてみて周りの生徒達の様子が違うことに気づく。


気づいてしまった。





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