俺様のお姫様
けど奈々姫はその言葉で安心したらしく


「良かったぁ。じゃぁ私達はこれで。ほら陽夜行くよ!」


と最後にもう一度頭をさげて私を引っ張ったまま歩きだした。


な…、自分で歩ける!


奈々姫の手を振りほどき自分で歩きだす。


「全くあんたは神宮寺先輩にぶつかるなんて何してんだよ!」


奈々姫は私を離すと去りて尚怒るとばかりに不機嫌、怒鳴り声だった。


でももうしらなぁーい。


それよりも


「ケーキ食べそこなったぁ。」


こっちのほうが私は大事。


「をい陽夜!聞いてんのか!」


もう、耳元で怒鳴らないでよ。


聞いてるって…。


それよりもさっきから何怒ってんだろう。


神宮寺先輩、神宮寺先輩って。


そんなにすごい人なのかなぁ。


「ん?聞いてるよ?『神宮寺先輩』って誰?」


てっとり早く聞いてみた。


そしたら奈々姫は心底驚いた顔をして「あんた知らないの!?」って言ってきたもんだから


知らないって答えようとしたんだけどここであることに気づく。


「うん。あー!今日D灰の発売日じゃん!!いっそげー!!」


先輩より本。


私は奈々姫に軽くそう返答するとダッシュで食堂を後にした。


「こら陽夜!」


奈々姫が後ろから追いかけるがもうしらない。




< 14 / 48 >

この作品をシェア

pagetop