俺様のお姫様
ぬぇ?


「名前…。」


驚いた。


先輩が私の名前を知ってるなんて。


「え?まずかったかな?」


途端先輩は気まずそうになった。


「いえ…」


名前知られてるって思ってなかったから。


「多分、この娘先輩に名前知られてるなんて

思ってなかったから驚いてるんだと思いですよ?」


こくんと頷く。


流石奈々姫、素早く私の心情をサッチしてくれた。


「そっかそっか。それはごめん。でも君有名だよ?特に2年には。

2年の廊下歩いてたらすぐ分かったよ。」


ふゃ?


私が…人気?


それは何かの間違いでは?


「私…人気なんですか?」


無自覚。


これが一番ムカつかれるタイプ。


「はぁ~。」


隣で奈々姫が溜め息をついた。


「陽夜、周りをちゃんとみよーぜ!!」


ぽんと肩を叩く。


周り…ねぇ。


「無理難題。」

「えぇぇぇぇぇぇぇ!!」

奈々姫はサザエさんでびっくりした時にするポーズをした。


「ってそんなわきゃないだろ!」

「きゃん。」


頭をたたかれる。


「なにおう。陽夜ちゃんを舐めちゃいかんぞ!」

「ウザい。」


またはたかれる。


「あんたの成績でそんなことが難しいわけないでしょ?」


ちっ。


「今、心の中で舌打ちしただろ。」


………。


首を振った。


「はい嘘、あんたの嘘は直ぐバレる。」


くっ。


「観念しなさい。」


出来ません。


「陽夜!!」

「はいごめんなさい。」


あっけなく負けた。


と気が付くと奈々姫の隣でまた先輩が笑っていた。


「そんなに面白いですか?」


首を傾ける。
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