俺様のお姫様
前まではそんなこともなかったんだが。


最近の自分が分からない。


確かに前もそんなに良くは思ってなかったがここまでうざったいとは思ってなかった。


今はなんて言うか、かなりキテる。


頭に。


苛々・ムカムカ。


腹が立つ。


「海紀?」


東宮が肩に手を置いたまま聞いてきた。


「なんでもねぇ。つか離せ!」


そう言って自分で手を離す。


それからそのまま教室に入った。


直後チャイムがなる。


6限が始まる。


俺は席に着くなり眠りに落ちた。














「…きゃっ…」









「……や!………の馬鹿!」









ん?


ゆっくりと覚醒していく。










「……でしょ!」









「……やっ…」






「馬鹿!!」







目が覚めると聞き覚えのある声が耳に入ってきた。


「陽夜大丈夫?」

「私何にもしてなぁーい!!」

「ま、しょうがない。」

「うわぁ~ん、私のらびがぁ。」

「結局そこかい!!」



この声は…


!!!!!!


起き上がる。


「お!やっと起きたな海紀、外やべーぞ。」


東宮がちらりとこっちを見て外を指さす。


俺は急いで立上がり外を見た。


「あの可愛さだったら可哀相にやられるわな。うっわぁ、悲惨。」


東宮が横でそう言った。


「奈々姫ぃ、うちのラビ…」

「をい!」


確かに。


東宮が言ってる意味が良く分かった。


陽夜ちゃん達の会話はいつもとそんなに変わらないが陽夜ちゃんの体に


無数の擦り傷。


陽夜ちゃんの目の前には無残に切り裂かれた本。


なんだってこんなことに…
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